精神科の看護師が持っておきたいのが、高度なコミュニケーション能力です。精神科の現場で看護師が患者と関わる際、ただ医療的なケアを提供するだけでは足りません。心の病を治療する現場では、特に精神的なサポートが求められます。そこで以下では、必要とされるコミュニケーション能力を具体的に掘り下げていきたいと思います。

基本として、患者の話をしっかりと聞く耐性が必要です。これは相手の気持ちを理解し、さらなる信頼関係を築くための基盤となります。対話中は、話を聞きながらほどよく質問をすることで、相手の気持ちが見えて、深い理解が得られます。ただ、質問も淡々とした取材や取り調べのような形になると、患者に不快感を与える可能性があるため注意しましょう。やりとりの中では、きちんと思いやりを持って適切な言葉を選ぶことが大切です。同時に、非言語コミュニケーション力の高さも欠かせません。顔の表情、目の動き、身振り手振りなど、言葉以外の情報を汲み取り、相手とコミュニケーションを図ることは、本当の感情や意向を察知する上で役立ちます。

さらにエンパシー、つまり共感する能力も重要です。患者の立場に立って物事を考え、その気持ちを理解しようとする姿勢は、良好な関係を築くために不可欠です。ただ同情するのではなく、患者さんの感情を尊重し、その上でどうサポートすれば良いかを考えるようにしましょう。そして、自分自身の感情をコントロールする能力も必要です。精神科病棟では、患者が急に怒り出したり、暴れ出したりすることもあります。そんな場面でも冷静さを保ち、プロフェッショナルな対応が求められます。そのため、普段から自分の感情に振り回されず、どんな場面でも最善の行動を選できるような自己管理能力を養うことが大事です。